「商店是商業道場」
市原亀之助が貫き通した商人としてのあり方、それを代々受け継いでいく商店のあり方が「商店是商業道場」ということに集約されています。これは初代市原亀之助が師事した建長寺派選仏寺の「梶浦逸外」の“商業道場としての商店”の一節に感銘したものです。
私は常に主人に向かって「あなたも最初は丁稚であった筈だ。その時別に意識はなかったではあろうが、主家である商店を商業修行の道場として心得、仕入、製造、販売の研究はもちろん、朋輩に交わるの道、上長に対するの道、人の上に立つの心得等に至るまで、十分に習得し、然る後に今日のこの商店の主人たるの資格を得られたのであるから、其の主人の恩に報いる為に、立派な後継者をつくるよう心懸けねばなりません。自分は修養道場の校長であり、店員は生徒と心得て、研究し研究させて、新時代の新人として、勇往邁進、独自の道を八方開く大人物を一人でも多く沢山に仕立てあげる事に努力なさるのが大切です」と云って忠告しているのであります・・・
「梶浦逸外」“商業道場としての商店”より抜粋(一部現代文に変更)