高島郡高島町・新旭町(現・高島市)は湖西でただ一か所の綿織物産地。高島織物工業組合・高島晒協同組合のもとで伝統の高島綿縮を伝承しながら、近代設備を導入して綿クレープ、綿布類、帆布、ベルト基布、タイヤコードなど、綿繊維を主にした近代織物産地を形成している。綿クレープでは全国でトップの生産量を誇り、和装ゆかた地などにも向けられる。この産地の原点は強撚手織りの綿縮にある。江戸中期の天明の頃(1781~89)から京都市場へ出荷が始まっている。「高島しぐれ」という特殊な多湿気象と安曇川の水源が高島式強撚加工に適したのか、高島綿縮は名をはせ、現在は高島クレープの商品名で知られている。